合唱

私が合唱隊に入ったのは、小学校5年生の頃でした。
その少年合唱隊は三つのクラスに分かれています。最初は楽典やかんたんな曲を練習するC組から始めて、A組になればメインに演奏活動に参加していくことになります。
C組は主に、小学校1〜3年生の子がいたクラスなのですが、私もそんな中に混じって基礎から教えていただけることになりました。


大きな衝撃

最初にクラスに行った時、そんなに小さい子ばかりのクラスだとは知らなかったので、とてもびっくりしました。ちぇろっ子は身長の低い方ですが、このクラスでは頭一つ分飛び出ているんです。
でも、精神年齢は近かったんでしょうね、すぐに中に馴染んでしまいました(笑)

見た目だけではありません、私が大きく衝撃を受けたのは、みんなが歌うのを始めて聞いた時です。私が始めて聞いた曲は、みなさんおなじみの「ちょうちょ」です。とはいっても、ただのちょうちょではありません。ドイツ語のちょうちょなんですよ!

小さくてかわいい年下の子たちが、突然知らない言語でうたい始めたことは、当時の私にとっては相当な衝撃でした。なにせ英語すら、全然しりませんでしたから・・・。

教会音楽

「昔、合唱隊にいました。」というと良く言われるのが、「NHKとかで、うたってたの?」ってセリフです。たぶん、童謡などを中心にうたってる合唱隊のことだと思います。
私のいた合唱隊ではあまりテレビ出演はなく、教会音楽などクラシック音楽の演奏会を中心に演奏活動をしていました。ミサやレクイエム、交響曲といったようなものです。
ですから、ほとんどがラテン語・ドイツ語・イタリア語・・・といった外国語です。C組では、一曲にかける時間がとても長くて、じっくり発音の練習をしてから、自然に暗譜できるくらい何度も練習をする事ができます。しかしA組になると一曲にかけられる時間は短いですから、楽譜を与えられて簡単な発音練習をした後は、すぐに曲にとりかからなくてはいけません。
最初にA組の練習に参加したときには、そのあまりのテンポの早さと、演奏の本格さに圧倒されて、ほとんど声を出すことができなかった記憶があります。

プロなんです

合唱隊が今までの習い事と大きく違う点は、演奏会があって、それに向けて練習をするところです。先生方も、「普通の習い事とは違います。みなさんプロの自覚を持ってください。」とおっしゃっていました。 

A組になると、週に3回の練習に演奏会前の練習も加わって、とてもハードなスケジュールになってきます。でも、うたうことはとても楽しくて、きれいなハーモニーの一部になれた瞬間や、色んな曲に触れ合えた事は、とても貴重な経験でした。合唱隊だから出来た、貴重な体験もたくさんあります。演奏旅行であったり、有名な歌手の方やオーケストラとの共演であったり、朝から晩までひたすら練習の厳しい合宿であったり・・・(笑)

学んだこと

合唱ならがゆえに、多くの貴重な経験をすることができました。

とてもうれしいことに、有名なオーケストラとも共演をすることができました。特に、マーラー8番なんかでは少年合唱も出番が多いので、最初から最後までステージにいます。そんなときには、観客の方よりも身近にオーケストラを楽しむことができるんですよ。すごいでしょ♪ 3大テノールの一人と共演、なんて事もありました。そのときは、オペラの脇役で王冠を運ぶってだけの登場ですが・・・

音楽的にも、多くのことを学ぶことができました。特に、私はメゾや第一アルトを担当していましたので、チェロが果たす役割と共通する部分もたくさんあります。でも、チェロの技術が全然ともなわないのが、たまにキズなんです・・・。