出産体験記


よくよく振り返ってみれば、
ちゃんと陣痛がきてから7時間21分の安産でした。

でも我が子は、41週過ぎても全く出てきたいという意思が見られず
計画入院という不安の大きな出産開始でした。



目次


お腹の中は快適?  

前日入院(バルーンって?)


読書ダメですか?

強制破水&恐怖のカレーうどん

くるくるまわって頂戴ね

至福の瞬間



お腹の中は快適?

妊娠37週目で正期産(もう産まれてもOK)に入ると、定期健診で
「もう、いつ産まれても平気です!どんどん動いて下さいね〜」と言われました。

「え〜。今まではあれやるな、これやるなって言われてたのに、
 急にどんどん動けって言われてもなぁ〜」って、
突然の対応の変化にとまどいを隠せない日々がやって来ました。

定期健診では、子宮口(赤ちゃんが出てくるところが開かないと産まれてこない)の
大きさを毎回チェックするようになりました。

・・・が、これが全く開かなかったのですよ、私の場合(^^;

最初は1ヶ月置きだった定期健診は、2週間置きになり、
この頃には1週間置きになっているのですが、
毎週毎週、担当の先生が「ホントに頑固な子宮口だねぇ〜」って(笑)

猛暑の中、汗だくになってお散歩しましたが、
結局、頑固なままでした。
こんな時に限って、今年の夏は特に暑いし・・・。
ほんと夏の妊婦はこりごりです(ToT)

妊娠40週にはいって、先生から41週を過ぎても陣痛が来なかった場合、
計画入院になり、陣痛促進剤を使うという話になりました。
42週を過ぎると胎盤の機能が弱って、赤ちゃんに栄養がいかなくなっちゃう
ということなので、いたし方ありません。

でも、もともと薬とか病院とか、好きじゃなくて避けている方なので、
なるべくなら自然に産みたいと思いました。
なので、その後もマンション(14階建て)の階段を上り下りしたり、
お散歩の回数も増やして頑張りました。

それでも全く出てくる様子の無い我が子でした(笑)

もともと能天気なので前向き思考な私ですが、さすがに多少はイライラして、
周囲の心配の声が負担になったりしたような気がします。
今思えば、くだらない事で旦那を怒ったりして・・・。

そんな母の思いも知らず、お腹の中がよほど快適だったのか
外は暑すぎるから、もうちょっと中にいようかと思ったのか
結局、入院の日まで居座った我が子なのでした。

 

前日入院 バルーンって・・・?


さて、そんなわけで全く我が子は出てくる気が無かったので
申し訳ないけれど強制的に出てきてもらうことになりました。

私の場合は、とにかく子宮口が頑固だったので、
先生に「前日にバルーンで入口を熟させて、次の日に陣痛促進剤を使います。」
と言われました。

バルーン? 熟させる??

陣痛促進剤使うってだけでもドキドキなのに、そんな訳の分からないこと言われて
最初は混乱してしまいました(>_<)
熟させるっていうのは、子宮口をやわらかくすることで、
促進剤をうっても、入り口が開いてなければ出てこられないから
前の日の夜からバルーンを使ってじわじわ開かせてあげるんですよ、とのこと。

で、実際入れてみると、
バルーンを入れる処置自体は大きな痛みは無く、
その中に液体(水?)を入れている間は、何かチョロチョロとヘンな感じはするものの、
「へぇ〜、これで入っちゃったのかぁ〜」とのんびり思える程度で、
入れること自体は大したことありませんでした。

が、その後、じわじわじわじわ痛いのがやってくるんだな、これが。
ちょうど10分間隔くらいで、生理痛みたいな痛みがある感じ。
あの時は、陣痛がどのくらいのものか分かっていなかったから、
「え。バルーン入れて陣痛来ちゃったのかな?」とか思ってましたが、
今から思えば、あの痛みはかわいらしい痛みだった(笑)

あと、もう1つ不安になったのが
「トイレに行った時とか、寝ている間とかにポロッと出ちゃうかもしれないので、
そしたら動かずにナースコールで教えて下さいね♪」
って、気軽に看護士さんから言われた一言。

ポロッと出ちゃう、ってどういうことっすか??
もう、トイレに行く度にドキドキしちゃったよ(^^;

そんなこんなで、じわじわ痛くて、不安いっぱいの前夜でしたが、
先生曰く「大丈夫。陣痛だったら寝てられないから(笑)」とのこと。
さらに、「今夜はゆっくり休んで明日に備えて欲しい。」って
生まれて初めて睡眠薬なるものを処方されました。

普段薬飲まないせいか、私は薬の効きやすい体質のようで、
睡眠薬飲んだらグッスリ寝られちゃいました。
朝起きて、あまりのスッキリっぷりに、心配している家族に申し訳なかったと思った位(笑)

そして、スッキリ朝起きてトイレに行ったら、
出たよ出た!ポロッと(笑)

どうやら、うまく熟してくれたようで、
それからドタバタと出産の部屋に移動して長い1日がはじまったのでした。

※後日談ですが、
最初バルーンって聞いた時は、おっかなビックリだったけれど、
「陣痛がきたけど、子宮口が開かなくて大変だった!!」ってママさんの話を聞いたりすると、
あの程度の痛みで子宮口開いてくれたおかげで、7時間程度の痛みで済んだのだから、
結果オーライだったのかもしれないなぁ〜、と思いました。

 

読書ダメですか?

 

いよいよ出産当日の朝から、いよいよ陣痛!というところまでのお話です。


《LDR》

私の病院にはLDRという個室があり、陣痛が来た妊婦さんはまずその部屋へ入り、
いよいよ分娩という時も部屋を移動せず、ベッドが分娩台に早代わりする、
という体制をとっているところでした。

バルーンが抜けた私は、朝食も取らないうちに荷物をまとめ、
そのLDRという部屋に篭ることになりました。

出産は旦那に立ち会ってもらう予定だったものの、まだ陣痛が来たわけでもなく、
一般の面会時間も11時〜だったので、それまでは1人で待機。
(LDRは何時からでも面会できるというのを、後から知ったのです(T_T))

LDRは、テレビ・冷蔵庫・洗面台もある個室で、
2部屋で共有のトイレとシャワー室がありました。


《モニター&点滴》

LDRに入ってからは、まずお腹に赤ちゃんの様子を見るためのモニターが巻かれました。
出産までは常にこのモニターと一緒。
トイレに行く時も、リモコンみたいな機械をとりはずして肩に掛けて行くのです。
トイレが近いのに、この作業がめんどくさい・・・(T_T)

そして、いよいよ点滴です。
点滴なんて、小さい頃やったかやらないか位なもので、記憶のある中では初めての体験!
しかも、出産なんて大業を目の前にしておきながら、未だに注射嫌いの私にとっては、
バルーンに続く第二の難関(>_<)

まぁ、看護士さんの腕が良かったので、私が腕から目をそらしている間に
ちゃちゃっと針刺しは終わっちゃったんだけれどね(笑)
吊るされた液体が、チューブを伝わって自分の腕に入って行くのは何か不思議な感じでした。

それからは、トイレに行く度に、モニターを肩に掛けて、点滴を押して、って感じで
民族大移動のような状態になりました。

広いLDRの中で、点滴にどぎまぎしながら、独りさみしくしていましたが、
朝食のパンが可愛くてちょっとほんわかしました。


《暇つぶし》

それからお昼前まで、バルーンと陣痛促進剤の影響で生理痛のような痛みが
10弱くらいの間隔でやって来ていました。

とはいえ、旦那が来るまでLDRの中で独りぼっち・・・暇です!

最初は、当時ハマッていたイラストロジックをやっていたのですが、
病院で鉛筆と消しゴムなんて使っていていいのだろうか?という思いと、
コードが繋がっていて手が動かしにくいという現実的なところから、
途中から読書に切り替えました。
(持って行く本の中身を吟味していなかったせいで、
不倫する話が出てくる出産には不向きな内容だったりして・・・(^-^; )

点滴の容量は朝から少しずつ増やされていたので、お腹はそれなりに痛く、
ベットの上で横向きでウンウンいいながら休み休み本を読んでいる、という状態でした。

そんな時、お昼の巡回(?)でやって来た先生方に読書の様子を見られ、
「あら〜。本読んでるなんて、余裕だねぇ〜。」
って、言われてしまいました。

テヘヘッ``r(^^;)

いやぁ〜。ダメですか?
これでもイラストロジックは諦めたんですけどね・・・。
と、心の声でつぶやきました。


あの読書が、これから先の目覚しい展開の引き金になるとは、
その時はまだ知る由も無かったのでした。



強制破水&恐怖のカレーうどん

《強制破水》

そんなわけで、朝から陣痛促進剤の点滴を開始して、
最初はゆっくりの滴下速度から、もうすぐMAXの速さに達しようというのに、
まだ読書をしていた私をみて、担当の先生が「こいつは・・・」と思ったらしいです。

そして、お昼の巡回を終えて『もうすぐお昼ご飯かな〜』と、のんきに待っていた私に
看護士さんが告げた恐ろしい一言
「これから先生が来て、破水させますから〜♪」

はぁ・・・?!!

どういうことっすか?
破水って、妊娠中に破水したら24時間以内に生まないと雑菌入っちゃうから
すぐに病院に電話してください。っていう、あの破水?なにそれ?
そんな恐ろしそうなことを、♪マーク付けて言っちゃう?
しかも、何も詳しい説明せずに、すぐ出て行っちゃうし。


と、1人でおそれおののいていたわけです。
こんな時に1人ぼっち・・・誰か早く来てくれよぉ〜(T_T)
てな感じでした。

そして、後からやって来た先生に説明を受ける。
「陣痛をつけるために、卵膜にキズを入れるんですよ。」

えー? 卵膜?キズ?
さらに恐ろしいんですけれど・・・。

詳しい事は分かったようで分からないので、
勇気を出して肝心なことを聞いてみた
「・・・で、それって痛いんですか?」

「ううん。膜をピュッと破るだけだから痛くないよ〜。」


ふぅ〜。ようやく安心。

そしてその後、どうやら破かれたようです。
確かに、破水自体は痛くなかった

が、その後ついに、本格的な陣痛がやって来るのでした。



《食べたいんです!》

私は、バースプランに「好きなだけ食べたい」と書いてしまうほど、
食べることに情熱を燃やして出産にのぞみました(笑)
だって、妊娠中は2回も体重増加で怒られて、思いっきり甘いもの食べられなかったし!

なので、入院前に買っておいたカロリーの巣窟“チョコパイ”を
旦那に持って来てもらう手はずを整えてあったし、
病院の三度のご飯も本当に楽しみにしていたのです!

なのに なのに なのに!!

どうして昼ごはん食べる前に破水されちゃうのさ!
陣痛来ちゃってご飯食べるどころじゃなくなっちゃうじゃんか(ToT)

チョコパイを持った旦那が来たのも破水後。
結局、チョコパイは産後まで食べるのムリだったし・・・。


が、食い気にかける情熱は人並み以上の私です。
これから先、何時間かかるか分からないファイトに備えて
せめてお昼ご飯は頑張って食べなくちゃ!!
と思い、お昼ご飯を見てみる。

カレーうどん( ̄□ ̄;)!!

なぜ?こんな大事な時にカレー?
たとえ、おかずがまずかろうとも、普通のお米にして欲しかった・・・。
しかも、もともとカレーうどん好きでもないし。

でもまぁ、他にはお菓子しかない。ここはスタミナをつけるために食べよう。
頑張ろう。

と、陣痛の波をかき分け、ちょっとずつちょっとずつ食し
何とか完食に至りました。



《カレーうどんの恐怖》

ご飯も食べ終わり、何だか陣痛が頑張って来ちゃっているので、
旦那はビデオカメラを取りに一時帰宅。

私も、さすがに陣痛が強くなってきたので本を読んでる暇はなく、
1人で、うんうんタイム。

ところがです。
痛いだけじゃないんです。

なんか口の中がカレー臭くて気持ち悪い(ToT)

その頃は陣痛で、起き上がるのもおっくうなのですが、
あまりに気持ち悪いので、陣痛の波をかき分けて歯磨きタイム。

何とか歯を磨いたら、一時的にはスッキリしたものの、まだ気持ち悪い。
今度は、1人でうんうん痛みに加え、気持ち悪さとの戦いです・・・。とほほ。


何ということでしょう。
あのカレーうどんが、こんなにも私を苦しめるとは。
こんなんだったら、チョコパイにしときゃ良かったよ。とほほ。


と、そんな時なんです。お義母さんがいらっしゃったのは・・・。
陣痛に苦しんでいる私を見て、
「かわいそうに・・・。でもこれだけは代わってあげられないからね。」
と言って、背中をさすってくださった瞬間

カレーうどんさん、こんにちは 。・°°・(>_<)・°°・。

あぁ。ごめんなさい。
お義母さん、来たばっかりなのに、こんな醜態。
ホント、カレーうどん、末代まで恨みます。


まぁ、おかげで出るもの出てスッキリして、苦しみは痛みだけになったのですが。

後で来た先生に、
「どう?さすがに痛くなって本読んでいる場合じゃなくなったでしょう♪」と言われ
「えぇ。痛いです。しかも気持ち悪かったです。」と答えると、
「あぁ。陣痛促進剤ね、多少気持ち悪くなる副作用があるからね〜。」

・・・て! 分かってたなら先に言ってくれ!
しかも、そんな日にカレーうどんはないでしょう?!


と、後悔しまくったのでありました。



※後日談

同じ日に子供を産んだママさんに「カレーうどん大丈夫だった?」って聞いてみたら、
「食べるどころじゃなかったから、母に食べてもらったよ。」って。

そうね。そうですよね。
これから出産って時に、カレーうどん食べた私がアホだったんですよ〜(笑)

 

くるくるまわって頂戴ね

《新人(?)先生》

ところで、私が出産した病院は大学病院ということもありチーム制。
先生の指定は一切できず、その当日にならないとどの先生が担当なのか分からない。
でも私は、運良く妊娠後期にいつも見てもらっていた
女の先生のいるチームにあたりました。

やっぱり、女の先生は痛みが分かるのか、いざと言う時すごい頼りになるし、
信頼できる気がする〜!

それに比べ、その女医先生の部下の新人(?)先生は、男性のせいか
痛みに配慮できないところが、ちょっとムカつくのでした。

カレーうどんの苦しみを乗り越えた後、
1人ウンウン陣痛で苦しんでいたころに、新人先生やってきて診察。
エコーで顔の向きを調べたいようなのですが、慣れていないせいか
その遅いこと、遅いこと・・・。
妊婦としては、エコーのために仰向けになっている姿勢だけでも辛いのに
それにプラス陣痛です。

「もう早くして〜!!」
って感じなのに、新人先生はマイペースでのんびり。
それだけでイライラして、その先生にはちょっとムカムカ。

さらに、その後やって来て、左向きにうずくまり苦しんでいる私を見るやいなや
「右向きになってみて。」
と、妊婦の苦しみは完全無視して、淡々と言ってのける始末。

はぁ〜!?
こちとら、トイレも行けないくらい苦しんでるのに、そんな簡単に動けるかい!
と、大人気なくムカついてしまい
「今は無理です!」と、プリプリ答えてしまいましたわぃ。

今思えば、私もいっぱいいっぱいだったのね(笑)

でもまぁ、新人先生が退室したその後、
陣痛の合間をみて、よいしょこらしょと右向きになり、
さらにウンウンタイムが続くのでした。



《良い骨盤!?》

そして、右向き体制を頑張り始めてからは早かった!

何かうまいこと赤ちゃんが回ってくれたようで、
たぶん、けっこう早く全開まで突入したと思う。

後に、頼りになる女医先生から伺った話では、
「赤ちゃんがうまく回ってくれて、すごくいい骨盤」
なんだそうです。
へぇ〜。良い骨盤なんてものがあるのね(笑)
何か得した感じ。


ただし、早かったとはいえ、苦しみは大きかった。
特に、いきみたくなるのに、いきんじゃダメと言われる期間。
辛いって話を聞いてはいたけれど、ありゃホントにつらいねぇ〜。

うちの場合は、旦那が立会い出産だったので、
その間、おしりを押さえてもらってました。
触ってもらってるだけで何か不思議と落ち着くもので、ずいぶん助けられた!
結婚して依頼、うちの旦那が一番役に立った瞬間だったかも(笑)
そのまま出産まで一緒だったので、トイレ休憩もご飯休憩もなく付きあわせてしまい、
ちょっぴり申し訳なかったかな。


至福の瞬間

何だかあっという間に「もういきんでいいよ」状態になり、
着々と分娩体制へと準備がはじまりました。
LDRなので、それまで寝ていたベットがそのまま“うぃ〜ん”と高く上がり、
両足の支えがパカッと開いた状態に変形するだけ。
妊婦は、多少腰を上げたりするだけですんで、すごく助かった。
あの状態で、ベット移動とか言われたら・・・すごい大変だと思う。ホント。

そして、分娩体制の準備ができたころになると、
看護士さんや、先生がうようよやって来た。
LDRの個室が、あふれかえるような人ごみに(笑)

「そうか、出産ってこれだけ大変なものなのね。」
と思う瞬間。


一方、私はというと、いきんじゃダメの苦しみが終わり
「もう、辛かったらいきんでいいからね」という先生の優しい言葉により
なぜかモリモリ元気に(笑)
ベットが高く持ち上がって、さらに意気揚々という感じで
「さすがお母さん。いざという時はパワー出てくるもんだね。」
などと言われておりました。

さらに、私の元気を増幅させた至福の瞬間は、
分娩直前、鼻にチューブを差し込んでの酸素吸引!
あれは、ほんとに気持ち良かったわぁ〜(笑)
天にも昇る気分って、あんな感じを言うんじゃないかしらと思った位。

でも、後で同じ病院で産んだママさんに聞いても、酸素吸引してないというので、
どうやら、酸素を入れないといけないくらい切羽詰ってたってことなのかね(^-^;


いずれにしても、かなりパワー回復して、
「いよいよ!」という瞬間を迎えることになりました。


※この先、作成中です〜